スピニングリールのライントラブルを減らす方法
- 投稿日2015.09.26
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はい。
今回は、スピニング使用時に起こるライントラブルのお話。
釣りをしていて、最もモチベーションが下がるのは、不意に訪れるライントラブルだと思います。症状の違いはあれど、ライントラブルが起これば、ショックリーダーの組み直しが必要となり、ある程度まとまった量のラインも切らなければならない。
そうなると、釣りをする時間は少なくなってしまいますし、糸巻き量も減ってしまう。釣りを始めた直後でなければ、「今日はもういいか」と強制終了になってしまう場合も。
ただ、ライントラブルに関しては、釣りに出掛ける前の準備と、釣行中の簡単な動作で、発症する頻度を軽減する事が出来ます。今回は、ライントラブルを起こさない為の要点について、まとめてみたいと思います。
スピニングリールのライントラブルについて
スピニングリールを使っている際に起こる、代表的なライントラブルは、キャストした瞬間に「パチン!」とラインが切れてしまう高切れと、毛玉のように「もじゃもじゃ」っとラインが固まって、ほどけなくなってしまう症状の2種類。
今回の記事では、毛玉のように固まってしまう症状の話しを書いてみますが、キャスト時にドバっと毛玉が放出される事もあれば、ラインの途中で結びコブが出来てしまい、その先から何本もラインが出ている事も。重軽の違いはあれど、面倒なトラブルです。
一見、ほどけば何とかなりそうに見えるものの、こうなってしまったラインをほどくのは時間が掛かりますし、作業中に傷をつけてしまい強度も落ちるので、トラブル箇所をスパっと切って、新たにリーダーを組み直す方が現実的。
ライントラブルが起こる原因は幾つかありますが、大まかに分けると「糸巻き量」と、釣行中の「糸ふけ」によるもの。
糸巻き量が多過ぎると、キャスト時にリールのスプールから溢れてしまい「モジャモジャ」に。糸ふけを巻き込んだ状態でキャストしてしまうと、下に巻かれている糸が上の糸に絡んでしまい、「結びコブ」になってしまいます。
ライントラブル軽減の事前準備・糸巻き量
自宅で出来るライントラブル回避の準備としては、まず最初に「リールの糸巻き量」を調節する事。ラインを交換する際、スプールエッジのギリギリまで巻かない。というのは良く聞きますが、その理由としては、釣行時のライン膨張にあります。
ラインを巻き替える時は、ある程度のテンションを掛けつつスプールに巻きつけると思いますが、釣りに出掛けてリトリーブをすると、巻き替え時と同じテンションで巻き取る事は出来ず、釣りを続けている間に多少は膨らんでしまいます。
その状態でキャストすると、スプールから溢れているラインが滑り落ちるように、ドバっと毛玉になりながら放出されてしまう。なので、スプールへの糸巻き量は、エッジよりも気持ち少なめに。1~1.5m程度の余裕を残し、セットしておきます。
ラインを巻き替えた際に起こるトラブルの原因は、糸巻き量が関係している事が多くなるので、ラインの号数を太い物へ交換する際は、下巻きの量から見直しておく方が無難。自分で下巻き調整するのが面倒なら、釣具屋さんにお願いすれば調節してくれます。
ライントラブル軽減の事前準備・ラインテーパー
トラブル軽減の準備として、ラインのテーパーを変える事も挙げられます。ラインのテーパーとは、スプールに巻き付いているライン角度の事ですが、この角度を変える事によって、トラブルが起きにくい状態にする事は可能です。
ラインを巻きつけるスプールに対して、平行に巻かれている状態を「正テーパー」、飛距離を重視した三角形型の「順テーパー」、トラブル回避を重視した逆三角形型の「逆テーパー」と、3種類の巻き方があります。
四年程前に書いた古い記事で申し訳ないですが、各テーパーの特徴に関して「スピニングリールのライントラブル対策【前編】」という記事、具体的な施工方法としては「スピニングリールのライントラブル対策【後編】」という記事に書いてあります。
テーパーの調整は、付属のワッシャーを使って簡単に出来ますので、興味があれば一度ご覧になってみて下さい。※古い記事なので、まとめ方が雑で申し訳ないんですが…。
ライントラブルを減らす釣行中の動作
ラインがドバっと放出される症状は、糸巻き量の調節で対応という事になりますが、次に重要となるのは釣行中に行う「糸ふけ」への対応。キャストやリトリーブを繰り返していると、意図せずふわっと巻き取ってしまう事がありますが、これが結びコブが出来てしまう原因になります。
結びコブは、キャスト時のライン放出速度によって、上下にある糸の出方が変わってしまうと起こる現象ですが、写真のように巻き取りの甘い部分があると、高確率で起こってしまいます。
また、向かい風の強風が吹いている時や、軽いルアーを投げた着水直後にリトリーブを始めても、同じ状態になってしまう。この「ふわっと巻き取られる」部分を減らす為に、「フェザーリング」と呼ばれるキャスト中の動作があります。
フェザーリングとは、キャストをしてから着水させるまでの間に、スプールエッジの周辺に触れ、放出される糸ふけ量を減らす動作ですが、これを行う事により、余分な糸ふけを排除できるのは勿論、ルアーの着水点をコントロール出来たり、動き出しが早くなるというメリットが付随します。
フェザーリングのやり方について
ベイトリールを使っている際の「サミング」と同じ考え方ですが、スピニングリールでの「フェザーリング」は2タイプあり、一つは、ロッドを持っていない方の手で、スプールの端を触って、ラインの放出を調整するやり方。
もう一つは、ロッドを握っている手の人差し指で、ラインが放出されているスプールの端に触れてあげる方法。どちらの方法でも良いのですが、個人的には人差し指でのフェザーリングを好んで使っています。※理由は後述
人差し指のフェザーリング動画を探していたところ、リールの持ち方を説明してくれている動画を発見。この中でフェザーリングについても解説があります。また、キャスト時のフェザーリングを解説してくれている動画もありました。
リールの持ち方
キャスト解説
一つ目の動画では、グリップを握る指について説明されていますが、「人差し指でのフェザーリングが届かない」理由や、フェザーリングを含めた「キャスト時の動作」についても解説があります。かなり勉強になると思いますので、面倒がらず最後まで見てみて下さい。
ルアーの着水後は、直ぐにリトリーブを開始せず、ロッドを軽く傾けて余分な糸ふけを取り、ラインが張っている感覚や、ルアーの重さを感じてから巻き始める。※糸ふけを取る時に、ふわっと巻き込まないように注意。
キャスト中に、この「フェザーリング」という動作を入れる事によって、結びコブが出来る確率が大幅に減り、複数のメリットが増えますので、キャスト時に自然な流れで行えるよう、練習してみて下さい。
フェザーリングの方法で飛距離が変わる?!
ここからは感覚的な話になってしまいます。フェザーリングを行う方法は、「人差し指を使う」か「反対の手を使う」の2種類と書きましたが、反対の手を使った場合、ブレーキが効きすぎてしまい、急激に飛距離が落ちてしまう感覚があります。
自分の中での感覚の問題なんですが、放出されていくラインに対し、スプールから離れた直後に触る「人差し指」フェザーリングと、ラインが離れる前に触る「反対の手」フェザーリングには、微妙な違いがあるように思います。※下図は右側からキャストを行う場合
人差し指の場合、放出中のラインにテンションが掛かるものの、失速せずグンっと伸びるイメージ。着水後のラインスラッグも殆ど出ない。一方、反対の手を使った場合は、その時点から失速を始め、ライン自体にもゆとりがあり、ふわっと着水するイメージ。
触れる感覚や力加減の違いかもしれませんが、2つとも試してみて、しっくりくる方を選べば良いと思います。※どちらの場合も、余分なラインスラッグを取ってから、リトリーブを開始して下さい。
スピニングのライントラブルを減らす・まとめ
釣りに出掛けるまでは、リールの糸巻き量を確認して調整を済ませておく。釣り場では、キャストの度にきっちりとフェザーリングを行う。着水後はラインにテンションを掛けながら、確実に糸ふけを取ってからリトリーブを開始する。
これらによって、ラインが絡まるトラブルを軽減する事ができます。
スピニングリールの場合、軽いルアーを使っている最中や、ロッドアクションを入れた際にも「ふわっと」巻き込んでしまう事があるので、リトリーブ中に違和感を感じたら、次のキャストではフルキャストせず、ラインをスプールに巻き直す感覚で整えてあげる。
これらをキッチリと行っていても、ライントラブルが解消しない場合は、リーダー結束部分をガイド内に入れないようにキャストしてみたり、使っているラインやリールを違うものに変えてみる。※特に、リールは重要です。
釣り場に出掛けてモジャっとなれば、以降の釣りを楽しめなくなってしまいますので、メリット満載のフェザーリングをマスターしてみて下さい。
※前回の釣行時、ラインに傷が入ったのでガッツリとカット。その切れ端でライントラブルのイメージ写真が作れないかチャレンジしたところ、いい感じの結びコブが出来たので記事を書いてみましたが…。思いのほか、長くなってしまいました…(汗
2019年・ライントラブルに関する追記
現在、更新中の新ブログ『まころぐ』にて、ライントラブルに関する内容をリライト投稿しました。こちらの記事を合わせてご覧頂けると、詳細が分かりやすいかと思いますので、宜しければチェックしてみて下さい!!
シーバス関連に関するお知らせ
現在、シーバス釣りに関する内容は、新ブログ『まころぐ』にて更新中です。当ブログよりも、丁寧に解説するよう心掛けていますので、宜しければチェックしてみて下さい!!
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。今回の投稿と同じカテゴリーにある、次の記事は「秋から冬のシーバス釣りを楽しむ為のポイント選び」、前の記事は 「シーバスルアーの購入と選び方について」となっております。
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ビデオ、早口でわかりにくい。いやな先生という印象を与えますよ。
コメントありがとうございます!
ビデオと言うと、本文に貼り付けた動画の事でしょうか?
まぁ、様々な釣りのパイオニアであり、釣り業界の重鎮の村田氏は、いつも大抵こんな感じの喋りかと…。それが売りでもあるので…(^_^;)
太鼓型リ-ルで糸をフリ-で出すときラインの出が重たくラインがスム-ズに出ていかない、よく見てみると
リ-ルを回すと少し重たく、潤滑剤、グリスを注入してもやはりリ-ルは重たいままですどうしたらリ-ル
が重たくなくなりますかご指導のほどお願いします。
コメント有難う御座います!!
専門では無いので、ハッキリとは分かりませんが…。
パッと浮かんだイメージで書くと、使用しているグリス等の濃度が高い。または、スプールのシャフトを受けている部分のベアリングに汚れ・腐食がある。(または、シャフト部分が曲がってしまっている)
お役に立てなかったかも知れませんが、パッと浮かんだのはこんな感じかと。ベアリングやギアから来る事もあるので、気になるようであれば、一度釣具屋さんにてオーバーホールに出すのも良いかと思います。